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このディスカッションでは、Greg Cicci、Erin Hopkins、Dan Gaddisの3名の専門家が、持続可能な不動産管理のための取り組み、ESG(環境・社会・ガバナンス)戦略、及び運用効率を最大化するための実践的な方法について話し合いました。それぞれの役割と内容を以下に詳しくまとめます。
1. 導入とNOI向上に向けた持続可能性のアプローチ(Gregの発言)
- COVID-19の影響と運用効率化:
- Gregは、パンデミックが不動産管理の運用方法に与えた影響について言及しました。人々がオフィスから離れたことで、エネルギー消費を見直し、効率的に管理する必要が生じたと述べています。特にガス、電気、水の管理に注力し、建物管理システムの改善やエネルギー使用のモニタリング技術を導入することで、コスト削減を目指しました。
2. 持続可能性の進化とグリーンローンの役割(Danの発言)
- 持続可能性の取り組みとその変化:
- Danは過去10年間で持続可能性への取り組みがどのように進化してきたかについて述べ、当初は理解が進んでいなかった持続可能性が現在ではROI(投資収益率)やNOIの向上に大きく貢献していると説明しました。特に、Freddie MacとFannie Maeのグリーンローンが持続可能な施策を導入する際の後押しとなり、多くの企業が持続可能性戦略を採用する契機となったとしています。
3. 学術的な知見と収益への影響(Erinの発言)
- グリーンビルディング認証の効果:
- Erinは、グリーンビルディング認証が賃料や入居率に与える影響についての研究を紹介しました。71件の学術論文を分析した結果、グリーン認証を受けた建物は最大で23%の賃料プレミアムが得られる可能性があるとされており、また入居率も最大で17%向上することが示されています。
- CSP(Certified Sustainable Property)プログラムの導入:
- Erinは、IREM(不動産管理協会)が提供するCSPプログラムの重要性についても触れました。このプログラムは運用と保守段階に焦点を当てており、従来のグリーンビルディング認証よりも低コストであるため、多くのプロパティで導入しやすいとされています。
4. 全体的なESG戦略とポートフォリオ管理(Danの発言)
- 包括的なESG戦略の重要性:
- Danは、資産管理の際に全体的なESG戦略を導入することが重要であると述べました。単にエネルギー効率化や持続可能な取り組みにとどまらず、建物全体、さらには資産ポートフォリオ全体でのアプローチが必要であると強調しました。例えば、予防保守を実施することで、建物の寿命を延ばし、資本支出(CapEx)と運用費(OpEx)を最適化することができるとしています。
5. 市場の動向と企業の取り組み(Gregの発言)
- 現在の市場トレンドと課題:
- Gregは、特に外部環境の変化や企業の持続可能性への期待が企業の取り組み方に大きな影響を与えていると述べました。特に、規制強化が進む中で、持続可能性は単なる選択肢ではなく必須の取り組みとなりつつあると指摘しています。
- 消費者の需要と市場の違い:
- 持続可能な施策に対する消費者の需要は地域ごとに異なり、実装コストや効果の不確実性が課題となることが多いとしています。それに対して、産業界と協力してデータや知見を共有し、持続可能性への理解を深めることが求められています。
日本語訳
このディスカッションでは、持続可能な不動産管理におけるNOI向上のための戦略や、ESGを通じた包括的なアプローチについて詳細に話し合われました。持続可能性の進化に伴い、グリーンビルディング認証やグリーンローンが重要な役割を果たしており、企業がこれらを活用することで、賃料プレミアムや入居率の向上といった具体的な成果を得ていることが明らかにされています。また、持続可能性戦略の成功には、全体的なポートフォリオの管理と予防保守の実施が不可欠であることが強調され、企業が持続可能性を導入する際の実践的な方法についても述べられました。